日本茶あるある② 淹れ方が…
「日本茶の淹れ方って難しいですよね~」
これ、よく聞く話。
その時、僕は必ず聞き返します。
「どこが難しいですか?」と。
すると、「○○さんの淹れたのと同じ味にならない」「苦くなる」「味が薄くなる」みたいな返答が多いです。
「なんか違う」というのもよくありますね。
これ、ずっと違和感を感じています。
では、野菜で考えてみると…
「ニンジンって、調理するの難しいですよね…」って言葉、聞いたことないんです。
なぜか?調理するのが簡単?
いや、僕は同じ味のニンジンなんて食べたことないです。つまりそれって難しいのでは?
味に加えて、少し火の通りが甘いとか、切り方がバラバラとかもよくありますよね。でも、それを調理が難しいとは言わない。
なぜか。
ニンジンではバラツキを許容できるという事実
ニンジンと日本茶のバラツキの許容範囲が違うんです。
ニンジンも日本茶も農産物。つまり生き物なので、製造ロットによって中身が違うのは当たり前ですし、さらに調理プロトコルのバラツキによって味が変わるのは当たり前。
でも、ニンジンなら許容できて日本茶はできない。
これが、日本茶が難しいと感じられる、大きな理由の一つだと思います。
かといってプロトコルを管理するかというと…
ニンジンの方がよっぽど管理しているように感じます。「100度ののお湯で○分茹でる」、「500wの電子レンジで○分加熱」。
かたや日本茶は、「湯冷ましに入れてしばらく置く」「湯飲みに一度お湯を入れて、それを急須に移す」など、全く定量的でない。
バラツキを許容しない上にプロトコルも管理しない
そら無理ですよお姉さん、という感じです。
お茶の種類を知っているならまだしも、知らずにさらに盲目的に淹れて、さらに味にめちゃくちゃ厳しい。
こんな可哀想な状況で淹れられているんですね、日本茶は。
ここ、日本人は一度ちゃんと考えた方が良いと思います。
それとは別に、青い鳥症候群なのかも、と思うときもありますし。
思い当たる節がありましたか?
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