緑茶の科学 カテキン①
前回、「日本茶を食べましょう」というブログを書きました。
nihoncha-hakase.hatenablog.com
なぜ食べると良いか?
栄養をそのまま摂ることができるからです。
抹茶がその良い例ですが、煎茶や釜炒り茶もどんどん食べましょうというのが僕の提案です。
抹茶ではなく煎茶などのリーフのお茶を食べるメリット
まず、カテキンのお話をしましょう。
緑茶に含まれるポリフェノールの一種で、栽培の関係で抹茶より煎茶に多く含まれます。
カテキンには四種類あり、以下のように組成が違います。
出典:日本カテキン学会
抽出の仕方によって出てくるカテキンが違うのですが、食べてしまえばそれらをすべて摂ることができます。
(どんな抽出でどのカテキンが、というのはまた今度。)
カテキンの種類によって健康効果が異なるという報告がありますが、すべて摂ることによって難しいことを考えなくて済みます。
抗菌・殺菌効果について
カテキンには数多くの効果が報告・期待されていますが、その一つに抗菌・殺菌効果があります。
通常飲まれている濃度の緑茶エキスにO157を加え、対照として、細菌の繁殖しやすいペプトン水(培養液)にも同じ条件のO157を加えたもので増殖の様子を時間の経過とともに追ってみていくと、
①ペプトン水では24時間後、最初に加えた菌数の約1000倍になった
のに対し、
②緑茶エキス中の菌数は3時間後に100分の1に減少し、5時間後には完全に死滅した
との報告もあります。
このように、研究で明らかにされた効果をもとに、「抗菌」をうたったカテキンを使用した新商品(防臭剤など)が出てきていますね。
さて、次回もカテキンの続きです。
今度ご紹介するのは別の効果。お楽しみに!
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日本茶博士は、日本人が知っているようで全然知らない日本茶(緑茶)という食文化についての情報を、日本人にこそ正確に届けます。
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