産地訪問レポート! その②月ヶ瀬
前回の宇治の辻さんの取材後、月ヶ瀬に向かいました。車内で同行のアントレプレナーの取材も完了し、この茶産地取材ツアー最後のプログラムです。
全ての農場で有機JAS認証を取られている、月ヶ瀬健康茶園の岩田さん
月ヶ瀬健康茶園
そのご縁は、京都の知人からのご紹介。2年前くらいです。
岩田さんの有 機 農 法の緑茶は、
肥料を大量に投入してアミノ酸の味を濃くする緑茶とは違った、独特の風味があります。チャノキ本来の生命力ある味、と僕はいつも感じます。有機JASのものも、有機JASでないものも、有機肥料を多く投入するものも少なく投入するものも、化学肥料を投入するものもそうでないものも、狙いがあって栽培されたものはそれぞれの良さがある、というのが僕の考え方です。
さらに、岩田さんの有機栽培は、独自の考え方を実行されています。
※有機JAS認証は、仕組み(システム)に対する認証です。
その規格の中で、肥料の投入量などは自由に変えられます。
既存の慣行栽培からシフトした有機栽培ではなく、月ヶ瀬という土地ならではのやり方を独自に探されて試行錯誤していらっしゃいます。
一つのアクションから複数の意味を産み出し、単位人数単位労働あたりの効果を最大化する農法を、山あいの土地にあった形で取り組む。
これは、まさにビジネスモデルの構築そのものです。
ここにも、アントレマインドを持った生産者がいらっしゃいました。
国の開拓農地ではない、岩田さんが”茶山”と呼ぶ土地。
そこは月ヶ瀬本来の土、生態系、気候になっている場所で、月ヶ瀬ならではのお茶作りに欠かせない土地だそうです。
こういった茶山にある茶畑は、その急傾斜や立地の悪さから、栽培が困難になって手放す方が多くなるとのこと。
しかし、こういった放棄地が多くなってくると、そこが獣の住処になったり生態系のバランスが壊れたりして、
ヒトと自然の共存が難しくなってくるそうです。
実は、岩田さんのところにはこのような放棄地を引き継いでもらえないかという話が持ち込まれ、岩田さんはそれを積極的に受け入れておられます。
「月ヶ瀬の緑茶生産者全員で、月ヶ瀬を茶産地として盛り上げられれば最高。」
とおっしゃる岩田さん。
でも、現実には作業が困難な茶園が手放されていきます。
その農地を受け入れているので、岩田さんのやり方である広い面積でも収穫量の低い有 機 農 法を成り立たせるために、前述のように日々技術を磨き新たな農法に挑戦する必要があるわけです。
そんな岩田さんは、イベント開催にも積極的。
紅茶の生産も行っているため、全国地紅茶サミットというイベントの今年の実行委員もされています。
ぜひ、12月4日5日は、奈良で紅茶を飲みまくってください。
さて、実は、辻さんと岩田さんへのインタビューの間に、ベルギー人の茶道師範Tyasさんとの対談もありました。
こちらも後日Upさせていただきます。
お互いの日本茶に対する考え方をぶつけあいました。
お楽しみに!
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日本茶博士は、日本人が知っているようで全然知らない日本茶(緑茶)という食文化についての情報を、日本人にこそ正確に届けます。
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